さすらいのスターウルフ

私が学生時代に愛読していたハヤカワ文庫SF。そのシリーズ1冊目こそ、エドモンド・ハミルトン氏著の「さすらいのスターウルフ」でした。最初の発刊日は1970年8月31日。さすがにまだこの頃は私もハヤカワ文庫SFの存在は知らなかったと思います。ただ、先に、カテゴリー歌と音楽にて書かせていただいた

2025-09-02スターウルフ オリジナルサウンドトラック

の、テレビ版「スターウルフ(1987年)」の放映前にはこのタイトルを知っていたので、比較的早い時期に読んだ作品だったはずです。おそらくは先に「キャプテン・フューチャーシリーズ」を読んでエドモンド・ハミルトン氏を知って、その流れから購入に至ったんだと思われます。

さて、出版されたシリーズは

The Weapon from Beyond(さすらいのスターウルフ)260円

The Closed Worlds(さいはてのスターウルフ)290円

World of the Starwolves(望郷のスターウルフ)280円

です。

実は第4巻のRun Starwolfの執筆中にエドモンド・ハミルトン氏は逝去なされ、未完で終わってしまっているんです。構想では第6巻まであったような記述をどこかで読んだ記憶があります。

主人公はモーガン・ケイン。生まれは地球人ですが、育ちは恐怖の傭兵種族スターウルフの惑星ヴァルナ。外見は地球人と同じですが、地球より重い重力を持つヴァルナ。この惑星で育ったケインは常人離れした運動能力を持つという設定。ヴァルナは地球の敵として扱われています。そのケインがスターウルフから裏切り者として追われ、地球人の外人部隊リーダーのジョン・ディルロと行動をともにする物語。それにしても、ケインが裏切り者として追われる羽目になったのは、分け前を巡るいざこざから、仲間の一人を殺してしまったこと。ディルロがケインをかくまったのは、ケインが傭兵の仕事に役に立つと考え、彼を殺さずそのまま連れて行くことにしたこと。ちなみに、ディルロはケインがスターウルフだったことを知っている数少ない地球人の一人です。そんなわけで、正義とか友情とかとは無関係の利益関係で結びついたチームの物語。もちろん、展開に沿っていろいろとじーんとくるエピソードやセリフも出てくることにはなりますが、それまで、「正義と、愛と、友情とー」の世界観にどっぷりとひたっていた私にはすごく斬新な物語でした。

ちなみに、ハミルトン氏の奥さんはリー・ブラケットさん。映画「スター・ウォーズ/帝国の逆襲(1980年)」の脚本を書かれた方です。しかも、この脚本がブラケットさんの遺作であり、SF映画の脚本もこれが唯一なんですよね。彼女自身もSF作家で「地球生まれの銀河人」や「金星の魔女(短編)」などを書かれています。

それにしても、300円でおつりがくるこんな素晴らしい作品の読めたあの頃。(とはいっても、当時の私の経済力ではそれでも大金でしたが。)あの頃がとっても懐かしいです。