石ノ森章太郎とサイボーグ009

書店でなにげなく手にして、なんとなく購入した本。

もちろん、私にとってサイボーグ009は大好きな漫画のひとつですし、石ノ森章太郎氏は松本零士氏と並んで、私の人生において忘れることのできない漫画家のお一人です。中身は非常に満足のいく内容で、この本を時々思い出したかのように再読しています。

 

中でも印象的だったのが、36ページ、37ページに書かれていた内容でした。

石ノ森章太郎氏にとって家族の中の唯一の理解者。そして、トキワ荘のマドンナ的存在であったお姉さまの由恵さん。訪ねていたトキワ荘で持病の喘息の発作。病院に搬送され、発作もおさまり一安心した石ノ森章太郎氏、赤塚不二夫氏、水野英子氏は映画館へ。ところが、映画を観終わって部屋に戻ったみんなをむかえたのは、病院からの姉の急死の電報。昭和1958年4月4日。実は姉、由恵さんの23歳の誕生日。

 

この部分を初めて読んだときは、なんかすごく切ない話だなあって、ひとごととして読んでいたのですが、それから数年して、母が他界した後でまたこの部分を読んだときは、涙がこぼれました。私も、母の亡くなる前日に病院で生きている母と会っているんです。もっとも、ほとんどもう会話できる状態ではなかったのですが。そして、帰宅して、12時間経ったかたたないかのうちに受け取った母の他界の知らせ。その場にいれたかもしれないのにいれない、、、この悲しさは、言葉では表現できないです。

 

そして、3年後、世界一周旅行を実行した石ノ森章太郎氏が飛行機内で見た雑誌「LIFE」の記事から着想したサイボーグ009。私が今も愛読し続けるこの漫画。15誌を超える雑誌に掲載されたこの漫画。 早瀬マサト氏の漫画による「太平洋の亡霊」も、映画「もしも徳川家康が総理大臣だったら」を観た帰りに買ってきました(2024年8月21日)。昔のシロクロのテレビマンガで見たエピソードのこの漫画も近々記事にさせてください。